書評:いつもの服をそのまま着ているだけなのになぜだかおしゃれに見える 山本あきこ

いつもの服をそのまま着ているだけなのになぜだかおしゃれに見える

評価:☆☆

文章は少なく、写真は多く、読みやすく、シンプル。パーソナルスタイリングというより、服のコーディネートハウツーのかたまりです。


先日紹介した大山旬さんの本と同時期に、同じダイヤモンド社から出ているので、たぶんお互いに影響を与え合いながら作られたんじゃないかと思います。で、こちらは女性向けのスタイリスト本の新定番を目指したんでしょうね。

つか、なんという長いタイトル・・・(ラノベの影響?まさか)

わたくし管理人が男性なので、女性の感覚とは違うと思うのですが、ファッションレスキューの政近さんほど「イズム」が強くなく、心構えしなくても読める印象があります。

メッセージとしては「まずはシンプルでプレーンな服を揃えろ」ということ。そして「キメキメ(頑張りすぎてる)」でも「ラフ(だらしない)」でもない、その間にある「こなれた」着こなしを目指そうと。

  1. 7つのルール:シンプルでプレーンな服をどれだけ持てるかが勝負
  2. クローゼット:まずクローゼットから服をすべて出すとおしゃれが簡単になる
  3. コーディネート:コーディネートはシンプルな服を小物で味付けし、3首見せる(←ロールアップの話)
  4. バッグ:バッグをたくさん持つ人ほどおしゃれ
  5. 靴:困ったときのコンバース、クールに見せたいならぺたんこポインテッド
  6. トップス:大人の色気はフリルではなく、ネイビーのとろみトップスから生まれる
  7. ボトムス:デニムはきれいめのために存在する
  8. カラー:シルバーをグレーのかわりに投入すれば、抜け感が生まれる
  9. アウター:トレンチは着こなさないと完成しない

まあ、写真のレベルが高い。各アイテムもコーディネート例も、写真がおそろしくキレイに写ってます。モデル着用は著者本人以外無しなので、とりあえず「なんか良さそう」という印象はうけます。ある意味ショーウィンドウ的で、モデルさんが着てたときの「そりゃこの体型の人が着ればキレイでしょうよ」みたいな卑屈感は生じなさそうです。

ホントは、このサイトのあちこちで言っているように、「フツーの人が着用するときにどうするか」が大切なんですけどね。言い換えると、自分の体系的な個性と、ジャストサイズがわかっている前提で書かれています。

写真だけ見てるといいんですが、この本に載っているスタイリングを、20歳代前半でマネしたらたぶん時代ズレ感が出てきそうだし、アラフィフでマネしてもだめでしょう。あと、体型だったり、肌の色だったりを考えたら、「マネしたけれどしっくりこない」という人は出てくるでしょう。

「これはこうする」と、提案ではなくルールとして書いてあったりするところも、読者によっては押しつけに感じるかも。

なので、スタイリスト本と言っても、「その人にとってどうか」というパーソナルな話ではなく、組み合わせ術の本と言った方がいいですね。あるスタイルを見せて(これだけならファッションスナップのサイト見るのと同じ)、それがどんな考え方で作られているかをポイントを絞って解説してくれているというところが、この本の価値です。

 

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