パーソナルスタイリストとは関係ないのですが、Rcawaiiの話をしたのでついでに。
定額制の女性向けファッションレンタルサービスって、2014年から2015年にかけてたくさん出てきました。「Rcawaii」以外にも「airCloset」「Licie」「SUSTINA」などなど。定額制じゃないけどDMMとかもファッションレンタルやってますね。
ビジネスモデル自体はDVDとかの定額レンタルとかと同じで、
- 商品に流行がある(新作に人気が集まる&古いものは貸し出せない)
- 所有することに固執しないユーザが充分にいる(これはどの程度の規模なのかわかりませんが、各社調査はしてるんでしょう)
という商材で、
- 月によって損なことがあっても、ラクだからなんとなく契約し続ける
みたいな顧客を増やすことで稼ぐわけですね。
DVDレンタルと違うのは、同じデザインでも、サイズで商品のバリエーションが増えるのと、「人とかぶるのはイヤだ」という顧客感情があるため、「この人気タイトルを大量に仕入れれば確実に儲かる」みたいなことが難しいところですね。
なので、その代わりにスタイリストのお墨付きをつけて「あなたはこれを着るべき!」という押しつけをする(ユーザは自分の好きな服を選べない)ことで、顧客に送る服を分散して稼働率を上げる、ということだと理解してます。
そう考えると、いかにユーザの規模を大きくするかと、人気度合い(=満足度合い)と在庫とのバランスをいかにうまくとるか、がポイントになるはず。規模があれば、メーカー側から優先的に数を回してもらったり、安くしてもらったりがしやすいでしょうしね。
さらには、規模が一定以上になれば、メーカー側から金を取って、意図的に特定メーカーの服をユーザーの間で流行らせる、みたいなこともできるようになるのでは。
そんな、ビジネスモデルとしては非常に興味深いファッションレンタルなのですが、先日、エアークローゼットが資金調達、というニュースがありました。
ファッションレンタルサービス『airCloset』が事業拡大に向けて10億円弱の資金調達 “アパレル業界と消費者の架け橋となり、新しいファッションの楽しみ方を提案”
VC(ベンチャーキャピタル)から10億の資金調達ということで、勝負に出てきた感じがしますね。
株式会社エアークローゼット(代表取締役:天沼聰)は、ファッションレンタルサービスairClosetの更なる成長加速に向けて、ジャフコが運営するジャフコSV4共有投資事業有限責任組合(以下、ジャフコ様)/寺田倉庫(追加出資)/クリーニング業界最大手のホワイト急便を展開する中園ホールディングス/クレディセゾンのコーポレートベンチャーキャピタルであるセゾン・ベンチャーズなど、複数社から10億円弱の資金調達を決定いたしました。
寺田倉庫とホワイト急便と提携することで在庫・物流系のコスト削減(もしくはリスク分散)した上で、システム投資に億の金額はいらないと思うので、おそらく有名人/ブランドコラボ、広告宣伝、PRみたいなところに突っ込んでくるのではないかと。
在庫規模と会員規模を拡大すれば、より効率も高まるはずなので、そこで頭抜け出すことを目指してる感じがしますね。
しかも同時に
現在会員数は約70,000人になりました。
と会員数を公表しました(無料会員もふくめた数字みたいですが。)。これ、他社が追随してないところを見ると、競合の中でも最大規模ということではないかと。
いっぽう、SUSTINAは金額の低いプランを発表し、
Licieもサービス本格開始に合わせて料金プランを変更。
・ ベーシックプラン(1回2点までレンタル可能)
月額5,500円/レンタル期限14泊15日
※ 予定していたプレミアムプランは廃止となりました
どこが生き残るのか、どれもが生き残るのか、わかりませんけど、何にせよスタイリングのセンスとかではなく、ビジネスモデルとか経営のレベルで差がつく気がしますね。