評価:☆☆
ファッションのハウツー本と言うよりも、ファッション道とか、人生論に近づいてます。ファッションによるコミュニケーションの道を究めている人のコラムとして読んでみては。
ファッションレスキュー社長の政近準子さんの著書(2014年)です。もう何冊読んだんだってくらい政近本読みましたけど、だいたい書いてあるメッセージは同じです。同じだからダメとかいうことではなく、パーソナルスタイリストが考える大人のファッションの本質を繰り返し語っているということだと思ってます。
- 服は口ほどにものを言う
- ファッションは「公共(ソーシャル)」。評価されればされるほど得をする
- 服装は、あなたの内面の「いちばん外側の皮膚」
- 自分も相手も幸せにするファッションルール
- 「就活ファッション」から見えてくること
- 1000人の前で手を上げた新入社員
- 服を人生の味方にするための方法
- 「失敗」を確実に「成功の元」にするために
- 「物差しの幅」を広げていこう
- 「ファーストインプレッション」はヒントの宝庫
- おしゃれ上手は豊かな感性と忍耐力から
- 花束を買うとき、なんと言いますか?
- 少しの「やんちゃ精神」でおしゃれは進化する
- もしも婚活パーティにジーンズで行ったなら・・・
- 服で作る、仕事と日常
- リスクマネジメントになる服を持つ
- 「ナチュラル」と「無難」の落とし穴
- 「出会ってしまった服」は幻想?
- 自分を表現している人にチャンスは必ず訪れる
- 「人生に効く」おしゃれは一日にしてならず
- 年代別・ファッションパワーを養う方法
- 電車の車内にはすべてがある
- 電車で席を譲ることと、ファッションの共通点
- ビニール傘を壊れるまで使いますか?
- キャラクターアイテムとの上手なつきあい方
- なぜかやってしまうおしゃれNG集
- 美しさのために美しさを犠牲にする、美容・ファッションアイテム
- SNS時代、やってはいけないプロフィール写真とは
- なぜ、入学式にコサージュをつけるの?
- 服で自分を演出する極意
- コーディネイトは、あわてていては完成しない
- 「なじむ」ファッションから「映える」ファッションへ
- 「自分の持ち味」×「服の性質」で、どう見せたいかをコントロールする
- 面積の小さいアイテムこそ、オシャレ度をアップさせる鍵
もう各章のタイトルがうまいですよね。気になっちゃう見出しです。
ファッションは自分の好みじゃなく、他人からの評価もふくめたソーシャルなものだ、といういつもの主張を、いろんなエピソードを通じて語っていますが、最初に書いたように、ドレスコードとか合わせのルールとかの話ではなく、もう人生論の域に達してます。もしくはマーケティングのビジネス書といってもいいかもしれません。
パーソナルスタイリストにはマーケティング視点が必要なんだと思います。
- まず自分がアピールしたい相手がいて、その人がどういう人で、何を求めているか、を考える。(顧客を定義する)
- その相手と、どんな時、どんな状況で接点を持つかを考える(マーケティングシナリオを考える)
- その場で最も自分が魅力的に見える服装をコーディネートする(メッセージのクリエイティブを練る)
という感じで、自分の顧客を、仕事の相手や婚活の相手にどう売り込むか、を考えるのがパーソナルスタイリストですし、それはそのまま、服装を通じたマーケティングコンサルティングなんですよね。
そんなことを考えさせられる本です。ファッションスナップとかアイテム写真とかもないです。コラム本として読んでください。